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評価:
本田 直之
東洋経済新報社
¥ 1,566
(2006-12-01)
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当ブログ『本でもって』の主旨は、「自分が読んで良かったもの、☆で言えば3つくらいは最低でもクリアしているもの」をご紹介するという感じです。日々出版される膨大な本の中から、自分の人生を豊かにできるようなものに巡り会いたいと誰もが思っていると思うのですが、その一助にでもなればこれ幸いという気持ちで書いております。
しかしそもそも読書というのはとても個人的な体験であって、良かったか悪かったかというのはかなりの主観が入るし、そのとき置かれた自分の立場にとっての要不要、自分とその時代との間にある空気などによっても評価が変わってしまうもの。そう言ってしまうとすべての書評やレビューなんてものは意味がなくなってしまいます。でも、それでもやっぱり、たとえ主観が入ってしまっても、書評というのは参考になるものだし、それを通して人と本が結びつけばこれまた幸いなのであると思います。
ということで、私としては、この『本でもって』では☆3つ以上がここで扱う最低限の基準にしているのですが、でも、本日は本当につまらなかった本のご紹介と言うことになります。
☆一つ、つまりこれはもう読まなくていいような本のこと。ああぁ、なんてこった・・・みたいな内容のもの。Amazonのレビューや他のブログなんかでも、最近ではステルスマーケティング(ステマというらしいです)というものがあるようで、出版社や作者が意図的に利益を上げるために高評価をするものがあると言います。私自身、アマゾンのレビューを鵜呑みにして失敗した例が何度かありますが、こういったことは是非とも避けたいものです。そんなこともあって、評価の高いものを載せるのだけが書評ではなく、普通にだめ出しをする記事があってもいいのではないかと思い、本日から「読まなくても良かった本」というカテゴリーを設けてみました。
さて、その「読まなくても良かった本」の栄えある1冊目は、『レバレッジリーディング』。
『レバレッジリーディング』の発行年は2006年。目まぐるしく動いているビジネスシーンにおいて(この書評を書いているのは2014年ですが)、8年間という月日はもはや時代遅れも明白ではあります。しかし、本書は8年前に読んだとしても同じ感想であったろうと思う。つまり、時代が変化した結果で賞味期限を過ぎたのではなく、もともと特筆すべき内容を持っていないのです。膨大な数の本の中から、いかに自分にとって大切な一冊を選び出すか、そうっいた方法論があるのかと思ったら、それはなし。では、本を効率よく読み、読んだ内容をしっかり自分へフィードバックしていくやり方があるのかと思いきや、重要なところに線を引くとか、抜き出したものを読み返すと言った受験勉強と同じことを推奨。そういった受験勉強的な作業に関しても、結局のところ自分がやりやすいやり方でやればいいというのが著者の言い分なのですが、「それ(著者なりの読書術)を学びたくてこの本を買ったんだよ!」と怒りにも似た突っ込みを入れました。全くもって目新しいこともなく、気が利く者なら誰でもやっていることを述べているだけという有様です。
どこがりレバレッジリーディングなのか、さっぱり分らないまま終わってしまった。
そしてこの本が未だにアマゾンのレビューで人気なのも分りません・・・。
読書の価値やレベルを上げたいと思って購入する人は、読み必要はありません。本書を読む価値があるとしたら、本は自分への投資だと思って、惜しげもなく購入するという覚悟を決められることだけだろうか。
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