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『上昇思考 幸せを感じるために大切なこと』 長友佑都著 ::: 2013.10.14 Monday

JUGEMテーマ:オススメの本
 
 はっきり言って内容は同じことの繰り返し。内容を集約すると、中学のときに所属していたチームのモットーや高校の校訓など。そういったものは押しつけがましく教訓めいているし、決して新しいものではないので、本書はある意味つまらないかも知れない。それを批判する人もいるだろう。

 しかし飽きることなく、むしろ圧倒的な勢いで興味が沸いて読み進めていくことができ、そして自分もやってみようかという気持ちになるのが本書の不思議な魅力。まるで長友選手のプレイスタイルをみているような感じがする感覚、と言ったら大袈裟だろうか。
 「三日坊主」という言葉があるように、私たちの意識はそれほど長続きするものではありません。しかし世の中には三日坊主にならずにずっと同じことを続けていくことができる人がいます。結果としてこういった継続ができる人が最後に大きな結果を遺すことができます。それに気がついていながらなかなか・・・というのが私のような凡人の悲しい性・・・。と、悲しんでもいられないので本書の内容が大事になってきます。
本書では、長友選手がさまざまな壁を乗り越えていく中で培ってきたこころの飽和点を垣間見ることができます。本書の肝(きも)はそこではないでしょうか。世の中には美辞麗句や偉人の名言を並べた本はあまたありますが、そこには実践の魅力がありません。読んで感動はするけれどすぐに忘れてしまう、それが名言集の悪いところ。しかしこの長友選手の本は、長友選手が歩んできた実践の道の記録であります。そしてその歩みが飽和点に達したときに、長友選手の中で大きく弾け飛んだ人生の真理のようなもの、それがここに集約されています。少々大げさな言い方になりましたが、悟りにも似たような確信を得るその瞬間を、長友選手の目を通して知ることができます。

人生は複雑なことがいっぱいあります。嫌なこともしなくてはいけません。ストレスも溜まります。
しかし、意外と人生はそれほどこみ入ったものではなくて、とてもシンプルなものなのかも知れません。
だからきっと、長友選手が言いたかったことはシンプルなことばかりで、それを実直に、実践して繰り返していくだけというのが結論で、それ以上のことを書く必要もなかったためにこういう内容になったのでしょう。


 少し前のサッカー日本代表選手は、中田英寿のようなクールな感じがかっこよく見えたものです。しかし今はあのようなクールさは何だか不格好にしか映らない。長友選手のように、這いつくばりながらも駆け上がる実践の姿にこそ感動を覚えてしまう。その理由が本書に凝縮しているような気がします。サッカー日本代表は、代が変わるごとに進化していると思いますが、それはプレイとか技術とかそういった面だけではなく、こころも大いに成長しているのでしょうね。

自分を見つめ直す、そして長友選手のように実践していくこと。毎日忘れないように、いつも何処かで思い出す、そういったことの繰り返しこそが日々の成長につながる。そしてそれは物質や金銭ではなく、“こころの力”なのですね。


 
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『仕事が「ツライ」と思ったら読む本』 心屋仁之助著 ::: 2013.09.02 Monday

JUGEMテーマ:オススメの本

本書が伝えていることは、とても深いものがあると思う。古今東西の宗教家や思想家が伝えようとしたことと通じるものがあると思う。そういう意味では評価の星を4つにでも、5つにでもしたいと思う。
しかしその記述の軽さから、その本質が伝わりにくくなっているような気がしないでもない。著者の心屋仁之助氏の本は数冊読んでいるが、どれも語り口調が多い。そして自分自身もそうだったと、読者に近い所で語ろうとする。それは著者自身が意識して、読者が堅くならないようにという配慮の元に書いているのだろう。だが、このような語り口調で書かれると、読んでいるときには親近感を覚えていけるのだが、読み終わった後に何も残らないことが多い。中には馴れ馴れしさを感じて嫌悪する人もいるだろう。そしてまたその内容も、せっかく深いことを伝えようとしていても、軽いままで表層しか伝わらないことも多くなる。この点が実に惜しいというのか、心屋氏自身が著書を通じて読者にしたいことを実現できなくなっているのではないだろうか。その点で星を一つ減らして3つの平均点に落ち着いてしまった。

本書のテーマは、まとめていえば「許す」「赦す」ということだと思う。それは他人を許すと言うことだけではなく、自分自身を許すという大きな意味を含めた許しなのだ。
自分との価値観と他人の行動に齟齬を来すと、私たちはイライラする。そしてそのイライラはフラストレーションとなって周りを攻撃したり、そして自分自身にもその矛先を向けてくる。その結果自分の身の周りに理不尽なことが起きてしまっては、またイライラの度合いを高めていってしまう。これは自分の無意識で起きることが多いために、負のスパイラルに陥るとイライラだけが募ることになる。

相手を許すと言うことは、究極的には自分を許すということだ。

相手を認めるということは、究極的には自分を認めるということだ。

相手を許せなかったり、相手を認められなかったりするのは、実は対他人ではなく、対自分へのフラストレーションをためていくことに他ならない。それならば、先ずは自分の存在を認めてあげることからはじめなければならない。
私は宗教のことはよく知らないけれども、キリスト教の本質は「許し」「赦し」だと聞いたことがある。また、日本でいえば親鸞さんなんかは、どうしようもない自分自身を認めてから悟りを開いたともいう。つまり、自分自身を認めてあげる、自分自身を許してあげるということは、とても深い意味が含まれているということなのだろう。

心屋氏も、最後の方で述べていることだが、自分を許すのが大切、だからといって悪いことをしていいとか、自堕落になれというわけではない。まじめな自分、がんばる自分、努力する自分、そういう自分の価値観も大切なのだ。しかし仕事や人間関係などに行き詰まったときは、心の自由を取り戻す、自分の価値観を拡げる、そうやって心のゆとりを作る必要があるのだ。そうすることではじめて自分自身の良い所を行かすことができる。

このバランスが難しいのだけれど、バランスを崩す度に拡げていくことを心掛けてるだけでも自分の人生は違ってくるのではないだろうか。


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