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『代表的日本人』 内村鑑三 岩波文庫 ::: 2013.05.20 Monday

JUGEMテーマ:オススメの本


 私は小さな鍼塾をしております。とっても小さな塾です。私の鍼灸施術を受けて、なんだか吹っ切りがついて鍼灸学校に通ってしまった方がおりまして、鍼灸学校を卒業ということで、私もこの世界に引きづり込んでしまった責任を感じて、その後東洋医学・鍼灸を教える塾を開催しております。
 その塾におきまして、先日ある塾生が悩みを打ち明けてくれました。その悩みとは、「これだけいろいろ進歩していくのに、古いものを勉強する意味があるのでしょうか?」というものでした。
 私は鍼灸の中でも、とても古い鍼灸術を大事にしており、そのために古い文献に当たることが多くあります。もちろん古いままでは利用できませんので、それをうまく現代医学にも適合できるように考察を繰り返して進歩させていこうとしておりますが、いかんせん漢文を読むことが必須となりますので、ある鍼灸のグループの先生からは、そんなめんどくさいことをやってどうするんだとか、古いものを読んだって得るものはないだろうと時に批判を受けたりもします。
 ですので、塾生の悩みもよくわかります。
 現在注目されているiPS細胞が加速度的に発展したら、医学の常識はがらっと変わり、私たちの施術は過去のものになるのかもしれません。そういう意味では私たちのこの鍼灸施術というものは、もはや時代遅れに見えるかもしれません。

 しかし人間の本質までもがそう簡単に変わるでしょうか? 

 
 
 私はそうは思えないのです。やはり人としての生き方とか、人としての在り方といったところはいつまでも追求すべき問題として存在し、絶えず人間はそこに思い悩みながら日々を送っているのではないでしょうか。
 私も同じように悩んでいるわけですが、だとしたら、これから先の何十年間かを生きるために、ここでまた一つ自分を深めるために何を追求したらいいのか。私は自分で独自の思想を生み出す力はありませんので、やはりここは先人の智慧を借りてくるしかありません。かつて日本人の中にも優れた思想や行動力を持った人がおりました。そういった、まさに本書にあるような“代表的”な日本人の生きた証を知ることで、これからの未来を明るく照らしていけるのではないか、そんな風に思うのです。

 本書はキリスト教徒である内村鑑三が、開国間もない日本という国を、海外へ紹介するために書いたものです。本来は英語で書かれたものですが、本書はその日本語翻訳版です。読みやすい文章になっており、ページ数も多くはありませんのでおすすめです。ちなみに、本書で扱っている人物は、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5名です。

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