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評価:
三宮 麻由子
福音館書店
¥ 840
(2008-12-31)
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食欲は性欲、睡眠欲と並んで人間の3大欲求と言われています。3大欲求とは、人間の生存に関係することで、人間の根源にある欲求と理解されています。この3大欲求はとても大きく暴走しかねないもので、生きるために必要なものでありながらも、その欲を諫める教えなども同時に存在していました。この欲求というものもつきあい方のバランスが難しいと思います。 ライフステージの中でのそれぞれの場面で取り扱いがやっかいになったりする3大欲求ではありますが、東洋医学・鍼灸には、「医食同源」「薬食同源」という言葉があるように、この中でも食欲をとても重視しており、食欲があることを健康の条件の一つと考えます。たとえば育ち盛りの中高生、大学生あたりは食欲がなくては身体の基礎が出来ず、また伸びやかな思考活動にも影響が出てきます。しかし昨日のブログにも書きましたが、この3大欲求が高い時期にある高校生でも、食欲がない人が多くなっていると聞いて驚いたわけです。 源保堂鍼灸院では小児鍼を受けにいらっしゃる方も多いのですが、治療としてはうまく食欲が出ていても、なかなか食に興味を持つことが出来ないお子さんがいらっしゃいます。お腹は空いているはずなのに、どうして食べ物に興味を持ってくれないのだろう・・・。自分の好きなものからで良いので、少しずつ食べることを覚えてほしいなぁと思いながら、どうしたものか・・・と思いながら治療することもしばしばです。 食事は、味(味覚=口)、食材の色など(視覚=眼)、かおり(嗅覚=鼻)、食感(触覚=肌感覚)、そして料理をする音、食べる音(聴覚=耳)という五官(五官=五感の感覚を表わす東洋医学用語)を使います。さらに家族で食べる食事は、会話をして言葉を使って感情を豊かにします。これらを考えていくと、食事の楽しさを多面的に考えてあげる必要があるのかなと思いました。私はこれまで「医食同源」という言葉にこだわりすぎて、とにかく食べなさいという指導しかしてこなかったのではないだろうか。その指導には食事の楽しさを伝えてこなかったのではないかと反省し、食事というものをいろんな角度から考えてみようかと思っています。 そこで探してきたのが、『おいしいおと』。 この絵本は、食事の絵で視覚を楽しませ、食事の食感と音を擬音で表現していまして、香里や食感も伝わってくるような感じまします。 これなら食事の楽しさが伝わってくるかな? 源保堂鍼灸院のマガジンラックに入れておきますので、お待ちいただいている間にでもお読みいただけたらと思います。
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