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『岡本太郎が撮った「日本」』 ::: 2012.10.29 Monday

 JUGEMテーマ:オススメの本

 岡本太郎は1952年、41歳の時、東京国立博物館にて縄文土器に触れて、“なんだこれは!”と強烈な衝撃を受ける。火炎式縄文土器のあの燃え上がる形体と文様に、原日本を直感し、脈々たる生命の高ぶりを感じた。それ以降日本を再発見するため各地に足を運んだそうです。太古から続く日本の源流を、祭りや各地の風土の中に見出し、自分の血肉と化し、さらに自分の想像力を高めていった。
 この写真集は、そんな岡本太郎の旅の軌跡をまとめたものです。撮った写真は資料的な意味合いもあるのでしょうが、やはりフレーミングがさすがだなと思います。岡本太郎がどのような視線で日本を再発見しようとしたのかが分る一冊です。今では失われつつある日本の情景もあり、見ていると我々も揺さぶられる、そんな一冊です。

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『集中力』 谷川浩司著 角川oneテーマ21 ::: 2012.10.22 Monday

JUGEMテーマ:オススメの本

 将棋の名人位に付いたこともある谷川浩司九段の著書。谷川氏は当時史上最年少の21歳で名人位についた人ですが、当時の写真を見るとどことなくあどけなさが残り、今もその木訥とした基本は変わっていないような気がします。谷川氏の棋風は「光速流」と称される。谷川氏が名人位に就いたとき、私は当時12歳と言うことになるが、当時はけっこう話題なったニュースで、「凄い人が現れたんだな〜」という印象を漠然と持ったことを覚えている。当時学校では将棋が流行っていたこともあり、そのニュースも印象的だったのだろう。
 当時颯爽と登場した谷川氏も円熟期を迎え、キャリアから言えばベテランの部類に入っていくのだろう。そんな師が、どのようにトップ棋士としての気概を維持してきたのかをこの本で述べている。集中力をつけるための具体的な方法論ではないが、とても参考になる一冊である。人の運、不運には波がある。特にこのような勝負事に於いては、勝ち負けがはっきりと出るので、好調と不調の波をもろ受けにこともあろうかと思う。そしてその波の中で受けるプレッシャーも相当なものであろう。
 そういったプレッシャーや波の乗り切り方を‘棋士’という特殊な勝負師の視点で率直に記している。
 この本の中で私が特に印象に残っているのは、谷川氏がトップ棋士に登っていくために、相当の時間を将棋に費やしているところである。ともすると史上最年少名人の肩書きは天才を連想しがちであるが、その背景には真剣に将棋と向き合ってきた長い時間があるのである。

 この本を読んで思ったことは、もし、今自分が興味があって、ものにしたいものがあるとしたら、まずは下手でもいいから、その好きなものに時間をかけることだろうということだ。好きなものにかけた絶対的時間は、その実力を上げこそすれ、下げることはない。しかし逆に言えば、かけた時間が少なければ、それなりの結果しか出ないということだ。

「努力に勝る天才はない」

こんな言葉を頼りに今日も自分の研鑽に励んでいこう。


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『愛に生きる 才能は生まれつきではない』 鈴木鎮一著 (講談社現代新書 86) ::: 2012.10.15 Monday

評価:
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コメント:『愛に生きる 才能は生まれつきではない』 鈴木鎮一著 (講談社現代新書 86)

JUGEMテーマ:オススメの本

  この本を初めて読んだのはもう10年位前になるだろうか。
 きっかけはエレファント・ラブというラップグループだった。渋谷のクアトロに忌野清志郎のライブを観に行ったのだが、そのときにジョイントで出演していたのがこのエレファント・ラブであった。ほとんどラップは聴いたことがないのだが、なかなか面白いもんだなぁと思った。そして、帰りにアンケートを出したのだが、それから彼らの「エララブ通信」なる会報のようなものが隔月くらいで届くようになった。
 その会報の中で、あるときこの鈴木 鎮一氏の著書『愛に生きる―才能は生まれつきではない』が紹介されていた。エレファント・ラブとこの本のタイトルの組み合わせは異質だったので、とても印象に残り、後日本屋で確認して購入した一冊だった。

 著者の鈴木鎮一氏(1898〜1998)は、“スズキ・メソード”と呼ばれるヴァイオリン教育の普及に勤めた方で、多くの音楽家、そして子供達を育ててきた方である。この著者の子供達へのまなざしこそが、「愛に生きる」姿勢そのものだったようである。ヴァイオリンのお稽古というと、どこか敷居が高く、特別なもののように感じてしまう。しかし、鈴木先生のこの著書を読んでいると、ヴァイオリン教育とは、ヴァイオリンというものを通して人間を形成するためのもので、決して特別な人たちだけのものではないことを教えてくれる。ヴァイオリニストになるため、音楽家になるため、という打算的な視点ではなく、その前にある人間性の形成の大切さを教えてくれます。

 当院にはバレエを習っているお子様、大人の方も多く来ますが、バレエをやっている方に共通しているのは、みなとても礼儀正しいということです。この礼儀正しさというのは、自然な身のこなしの中に舎るものであり、周りをとても明るくしてくれるものです。見た目は華やかな世界ではありますが、その華やかさを演出するために、演技者達はハードな練習を重ねています。この練習の積み重ねの中に、礼儀の土台作りがあるのかもしれません。
 ヴァイオリンとバレエでは違うかもしれませんが、何か共通するものが根底には流れているような気がします。

 久しぶりに手にした鈴木鎮一氏の『この愛に生きる―才能は生まれつきではない』。初めて手にしたときと同じところで、目が留まりました。そして、何度も何度も心の中で反芻してみました。
 それはこんな文章です・・・。

「思うだけでは能力ではない。それは、思わないのと結果は同じだ。やってのけてこそ、能力なのだ。思ったら行う能力を身につけよう。」

 思ったらやる、思ったら実行する。単純なことですが、これが一番難しい。いや、“難しい”と思ってしまう時点で、すでに実行することを避けているのだ・・・。この本を再び読みながら、“実行”を誓いました・・・。

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