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『やさいさん』 ::: 2013.08.05 Monday

評価:
tupera tupera
学習研究社
¥ 998
(2010-07-21)

JUGEMテーマ:絵本紹介

 東洋医学では脾胃の力、すなわち飲食物の消化力、吸収力を重要視します。特にお子様の場合は、日々身体が成長してるので、とにかく食欲というのがとても大切になります。どんな症状であっても、食欲を増すようにしてあげることが施術のベースになります。

 しかし、いくら施術で食欲を増してあげても、食事そのものに興味がないことには、なかなか食事を摂ってもらえないこともあります。そこで、いろいろと食事や食材に関する絵本を探しているのですが、 この「やさいさん」は野菜を題材にしたもの。

 絵本を開くと土の上に野菜が葉っぱを頭を出しています。
 そしてその絵を上にめくると、その葉っぱの持ち主である野菜が“すっぽーん”と出てきます。“すっぽーん”という音もかわいく、そして野菜の表情がまた何とも楽しくて愛着が沸いてきます。

 小さな絵本で、何度も読み返すことができるものです。
 是非ともおもしろおかしく読み聞かせ、野菜が好きになるようにと願います。

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『ぼくの好きなキヨシロー』 泉谷しげる・加奈崎芳太郎 WAVE出版 ::: 2013.07.29 Monday

評価:
泉谷 しげる,加奈崎 芳太郎
WAVE出版
¥ 1,995
(2009-10-17)

 JUGEMテーマ:忌野清志郎

 うーーん、正直、清志関連の本で☆二つのレビューはつけなくなかった・・・。でも、自分の気持ちに嘘をついてまで星を増やしたくはないし・・・。残念だけれどもあまりに内容が薄く、本にするにはあまりに拙速すぎたのかと思うのです。

 とくに☆二つの印象は、泉谷しげるのところ。RCサクセション、古井戸、そして泉谷しげるという三者が邂逅した奇跡の場所が、当時渋谷にあったという伝説のライブハウス「青い森」。ライブハウスの名前からしてのどかな雰囲気。その印象に違わず、「青い森」は午後の昼下がりにカップルが集うようなところだったそうで、そこで流れるライブもその手のフォークソングが多かったといいます。しかしその中でこの三者は激しく自分たちの道を信じて突き進み、「青い森」のイメージからかけ離れた演奏と歌唱。それが“奇人変人”という名物にもなっていく下りは確かに面白く、その時代を全く経験したことない人間にとっては手に汗を握る感じで読むことができました。泉谷しげるがRCサクセションに衝撃を受け、その後しばらくして自分もステージに立つようになってレコード・デビューまで果たすその四ヶ月間は、まさに疾風怒濤、人生の歯車が高回転をして上昇していくとても濃密な時間だったようです。
 しかしその後の泉谷しげるは俳優をやったり、映画を撮ったり、清志とは疎遠となった時間も長かったようで、ときどき自分が主催するイベントに呼んで再会するくらいの仲だったようで、あのすさまじき「青い森」の時代のような大きな渦が二人セットにして巻き込むようなことはなかったようなのです。そのことを泉谷しげるは、“自分の師匠だから”とか、“何年も音信不通でも会えばすぐに打ち解ける仲”とも言っているのですが、本当にそうなのだろうか?心が通じ合っている仲だからと言って、何年も連絡していないなんて、それで語れるものなのだろうか?本書によると、清志も泉谷しげるに対して、“そうやって自分のために周りを利用する”と怒ったことがあったようなのですが、なんだか本当にそんな気もする・・・。泉谷しげるはいろいろと言い訳がましいことを言っているようだが、本心がよく分からない。極めつけは、スパイス・マーケットというユニットを組んだところのお話し。泉谷しげる本人曰く、“清志が組んだバンドの中でも、最もすごいものを作ってやる”と意気込んではじめたものの、泉谷しげる本人が、大人の事情とやらで、ドラマ撮影のため頓挫しそれっきり・・・。それもまた運命、それもまた縁というものかもしれないのですが、つくづくもったいないというのか、つくづく振り回しているというのか・・・。泉谷しげるは自分の衝動やひらめきでぱっと動くタイプで、それがまた成功につながっていったのでしょうが、それにしても清志とのスパイス・マーケットは何なのよ・・・と言いたい。たぶん本人が一番後悔をしていると思うのだけれども、そういう本心があまり伝わってこないのが残念でした。

 もしもこれだけの内容でしたら☆一つとしたいところでしたが、それを救ってくれたのが古井戸の加奈崎芳太郎のお話し。泉谷しげるとまた違った意味でやんちゃで無骨な加奈崎芳太郎。テレビやマスコミ受けする泉谷しげるとは対照的に、ほとんど表舞台に出てこない加奈崎芳太郎のお話は、今まで知り得なかった内容が多くてこれはとても貴重なお話しで、何だか読んでいて熱いものがこみ上げてくるところもありました。

 もともと音楽以外はあまりのめり込んで話をしなかった清志。多くの時間をともにした加奈崎芳太郎も、“何を話したのか内容が想い出せない”と語っていますが、それが本当なのでしょう。自分のことや心の内をを話したがらないのが清志ということなので、清志自身がミステリアスな存在で居続けたのかもしれません。本書は、そういった意味での寡黙な清志を語っている、という意味では成功しているのかもしれなのだけれど・・・。

 2009年5月2日に亡くなった清志郎。その後雨後の筍のようにたくさんの清志関連の本が出版されましたが、これもその五ヶ月後に出されたもの。たしかに時間が経ってから出されても誰も見向きもしないかもしれないけれど、でも、もっと中身を濃いものにする姿勢が大事ではなかったのではないか。印税目当てではないとは思うのですが、そう思われても仕方がないくらいあまりに拙速すぎる薄い内容・・・。


 
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『一休 風狂の精神』 西田正好著 講談社現代新書 ::: 2013.07.22 Monday

 JUGEMテーマ:オススメの本

 一休禅師というと、どうもアニメの『一休さん』のイメージが強くなってしまいます。あの東映アニメーションが製作した『一休』さんは、主題歌や頭をなでるときのポクポクポクポクという効果音などが印象的で、あまりに出色のできすぎたのが、一休さんのイメージをとんち坊主になってしまったように思います。しかしそれが一休さんの庶民性と重なっていて、時代を経た今日においても、なんだか一休さんに親しみを感じてしまうのが面白いところです。

 それでは実際の一休さんはどんなことをしたのだろう?いったいどんな人物なのだろう?一度は一休さんの実像にすこしは触れてみたいと思っていたところ、古本屋で本書を見つけました。

 本書は、一休禅師が生きた時代背景や、出生の話などからはじまります。高貴な家柄から外に出されたこと、そして数々の奇行などをエピソードとしていくつかを紹介し、そこから章を重ねるごとに徐々により深いところへと話が進んでいく構成です。

 著者の西田正好氏は、中世の日本文芸、日本美を研究された方で、その視点がこの本にも貫かれています。西田氏は、一休禅師の思想が様々な分野の人に受け継がれていき、「一休文化圏」(著者考案の言葉)を形成し、日本の精神文化の底流に多大な影響を与えていると説いています。西田氏が唱えるように、日本のルネッサンスとして日本の中世を捉え直してみると、もっともっと多くの日本流の精神文化を見出していくことができるのではないでしょうか。

 時代の変革である今だからこそ、一休禅師の風狂な姿勢は、新しいなにかを生みだす原動力になるのではないでしょうか。



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花鳥風月のこころ (新潮選書)
日本の美―その本質と展開 (1970年)
神と仏の対話―神仏習合の精神史 (1980年)






『下山の思想』 五木寛之著 幻冬舎新書 ::: 2013.07.15 Monday

JUGEMテーマ:読書感想文

 世の中に登山を薦める本はあまた存在します。また、上昇志向というのか、登ることを薦める本はたくさん在ります。私がこの本を読み始めた頃、おりしも三浦雄一郎氏がエベレスト最高齢記録を樹立したニュースが流れており、ちょっとした明るいニュースとしてテレビでは比較的大きく取り上げられていました。人間何歳からでもやればできるものだと、何だか私も嬉しくなりました。しかしその次の日だったか、体調を崩して下山はヘリコプターを使ったというニュースも流れ、この『下山の思想』を読んでいた時だったので、どことなくこのニュースに違和感を感じずにはいられませんでした。

 本書は、「登り詰めた日本はこの先どこへ行くのだろう」という読者への問いかけが前半で、後半は、高齢者に入った著者自身の心境を綴ったエッセイと区分できます。

 前半の問いかけの部分では、頂点を極めてしまった日本が、いかに今後ソフトランディングをしていくか、どうやったらこの難局を乗り越えていけるのか、そういった著者なりの達観したものの見方を綴っています。これは日本という国だけではなく、一人一人のライフサイクルの中でも耳を傾けておく内容ではないかと思いました。

 後半は、正直まとまりがなく、まさにつれづれなるままに語ったようなもので、内容はそれほど濃いとは言えないようにも思います。そういう点でこの『本でもって』に取り上げるのはどうかなとは思いました。しかし、たぶん自分自身も著者と同じような年齢に向かっていった時に、同じような心境となり、ひょっとしたらこの本が、自分の心の中にある郷愁を助けてくれる一冊になるのかもしれないとも思いました。

 前半と後半では全く違う趣がある本です。これから青春を生き、上昇する年齢に入っていく方にとっては、あまり必要のない本だと思います。あまりに参考にしすぎると、若くして老成してしまいかねない、そんな本ではあります。しかし、「登山」ではなく「下山」に注目するというものは他にありませんので、これはこれで貴重ですし、さて、これからどうやって自分の人生の舵を切っていこうかと思い出した中高年以降の方には読んでみる価値があるかもしれません。


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『カイジ「命より重い!」お金の話』 木暮太一著 サンマーク出版 ::: 2013.07.08 Monday

JUGEMテーマ:マネー

 コミック『カイジ』を読んだことがある方なら、カイジを通して日本社会のお金にまつわる理不尽な話を理解できる本。

 タイトルの“命より重い!”というのは、カイジが挑んだギャンブルの相手である帝愛グループの元ナンバーツーが放った言葉。「お金が命より重い」なんてことはあってはならないことなのですが、現実社会の現実問題として、お金の処置を誤って命を落とした人はとても多いです。理不尽な社会の制度によって、その制度を悪用する輩によって、そして病気や失業などによって、それまでの生活が一変してしまう人は少なくありません。命はお金よりも重いはずですが、本来命よりも軽いはずのお金によって、大切な命を失ってしまうことほど悲しいことはありません。

 筆者が言うように、とかく日本人はお金の話をしたがりません。それは、お金の話をする奴は卑しい奴、せこい奴といった美徳があり、どこかお金に対して直視することを避ける傾向があります。しかし現実社会でお金が占める割合はとても多く、その重要性を知らなかったがためにすべてを棒に振ってしまうこともあるわけです。本書は、そういった失敗をしないようにする、最小限のマネーリテラシーを伝えようとするものです。
 人それぞれ生きている目的や人生の目標は違います。しかし日本という同じ社会にいるいじょう、そのルールに則って生きなくてはいけません。そのために、守る部分も必要となります。

 本書は、「〜〜で儲けよう」という類いの儲け話ではなく、現実社会で生き残るための「守り」の部分を解説したものです。マネーリテラシーが根本的に欠けていながら(ディフェンスする方法を知らされていないまま)、お金に関する競争だけが煽られる現在、このような本でマネーディフェンスをすることはとても大切なことになります。また、本書はお金にまつわる制度的なお話しだけではなく、人間の心理についても考察しています。ある面では、心理学的なお話しも多いので、自分のお金に対する態度や心を見直す機会にもなるのではないでしょうか。


 
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